「鼻毛の白髪は高齢の男女にだけ生える」と思われがちなので、鼻毛に白髪が混じっているのを見つけるとショックですよね?
「若いのに白髪、それも鼻毛が白くなるなんて何かの病気かもしれない。」と不安になるかもしれません。
でも、10代や20代で白い鼻毛が生えている人は意外とたくさんいるんです。
実は、私も20代の頃に鼻毛に白髪を見つけて悩んだ経験があります。
この記事では、若い頃に鼻毛の白髪が生える原因と、鼻毛が白くなるのを防ぐ方法について解説します。
鼻毛白髪って言うけど、そもそも白髪ってどんな状態?
体毛の色は、メラニンという色素が影響しています。
- 髪の毛
- 眉毛
- まつげ
- 耳毛
- 鼻毛
- ヒゲ
- 胸毛
- わき毛
- 陰毛
- すね毛
- うぶ毛など
いずれの毛も、加齢によってメラノサイトが活力を失うと徐々に白くなりますが、実は鼻毛は、他の体毛よりも白くなりやすいんです。
そのため、髪の毛が真っ黒な状態で鼻毛に白髪が生えることは珍しくありません。
髪の毛やヒゲは普段から目にするので色の変化に気づきやすいですが、鼻毛は鼻の中で人知れず白くなるのでなかなか気づけません。
鼻毛が白髪になる原因
鼻毛が白髪になる主な原因は、7つあります。
- 加齢
- 遺伝
- 血行不良
- ストレス
- 不適切な鼻毛ケア
- 生活習慣の乱れ
- 嗜癖
加齢や遺伝が白髪の原因になることは、よく知られています。
親が白髪だと子供も白髪になりやすいことは、自分の家族や周りの人を見ていれば分かるでしょう。
でも、10~20代という若い時期に体毛が白くなる場合、加齢や遺伝以外の原因で体毛のメラニン色素が作られなくなっている可能性があります。
加齢
メラノサイトは、酵素のチロシナーゼを使ってメラニン色素を作り、それが髪の毛に混ざって色が黒くなります。
ところが、加齢によってメチロシナーゼは少なくなり、メラノサイトも活力を失っていくので、髪を黒く保つだけのメラニン色素が作られなくなります。
その結果、メラニン色素が不足した白い毛が生えてきます。
これが、加齢によって白髪が生えてくるメカニズムです。
鼻毛も加齢によって白くなりますが、若い時期から鼻毛が白くなるケースはごく稀です。
遺伝
人種、年齢、暮らす地域、若い頃の髪の色などに関係なく、白髪になる人とならない人がいますが、これは遺伝によるものと考えられています。
白髪になる家系に生まれた人は、親から受け継いだDNAの影響で白髪になりやすいのです。
でも、白髪に関与する遺伝子は特定されていません。
また、白髪になる人が多い家系に生まれたのに白髪にならない人も一定数います。
そのため、白髪になるDNAを持って生まれた人が、生活習慣や周囲の刺激といった環境の影響を受けて白髪になるというのが一般的な考え方です。
同じ白髪になるDNAを持って生まれた人でも、白髪の親と同じ生活を送ると白髪になり、まったく異なる環境で生活すると白髪にならない可能性があるということです。
血行不良
メラノサイトが活性化してメラニン色素を作るには栄養が必要ですが、十分な栄養を摂取しても体毛まで運ばれないと意味がありません。
血液の粘度が高くなって血行不良になると、摂取した栄養が体毛まで行き届かず、メラノサイトがメラニン色素を作れなくなって白髪になります。
鼻の中に張り巡らされた毛細血管は、血行が悪くなった影響をもろに受けるので、鼻毛に栄養が届かなくなって白髪化が進行します。
ストレス
ストレスは、髪の毛が白くなる原因の一つですが、鼻毛白髪の原因にもなります。
私たちは、継続的に強いストレスにさらされると、副交感神経が活性化して血行が悪化し、神経系細胞のメラノサイトの活力も低下します。
その結果、十分な栄養が体毛に届きにくくなり、メラノサイトの活力低下も相まってメラニン色素が減って白髪になります。
ストレスの原因がなくなると、副交感神経が落ち着き、血行が改善してメラノサイトも活力を取り戻します。
不適切な鼻毛ケア
鼻毛ケアの方法には「切る」方法と「抜く」方法があります。
切る | ・鼻毛ハサミで切る
・鼻毛カッターで切る |
抜く | ・手で抜く
・毛抜きで抜く ・ブラジリアンワックス ・鼻毛脱毛サロン ・鼻毛脱毛クリニック |
いずれの方法も間違ったやり方で鼻毛を抜くと、毛根細胞を傷つけてメラノサイトの機能を低下させるリスクがあります。
鼻毛ケアによって鼻毛が白くなるという悲しい状況になるのです。
特に、手または毛抜きで鼻毛を抜いた場合、メラノサイトの機能低下を招きやすいので要注意です。
食生活の乱れ
メラノサイトは、単体でメラニン色素を作れるわけではありません。
食事によって得られるチロシン(アミノ酸)や銅(ミネラル)、ビタミンといった各種栄養のサポートが必要になります。
- チロシン:メラニン色素の原料
- 銅:チロシナーゼ(酵素)の活性化
- ビタミン:毛母細胞の老化防止
「メラニン色素を作るのはメラノサイト」というのは間違いではありませんが、こうした食事から摂取する必要のある栄養素も重要な役割を果たします。
ポイントは、バランスの良い食事です。
メラニン色素の生成に必要な栄養素が一つ欠けるだけで体毛は白くなるので、全てをバランスよく摂取できるメニューを考えましょう。
食生活の乱れは鼻毛以外にも影響が及びます。
例えば生殖器。
食生活によって伸びたり縮んだりすることがあるので、短小の人は要チェックです。
生活習慣の乱れ
昼夜逆転の生活、ルーティンのない不規則な生活、睡眠不足が原因で鼻毛が白くなることもあります。
昼夜逆転や不規則な生活を続けると、成長ホルモンの分泌が妨げられます。
睡眠時間が足りないと、血行が悪くなります。
嗜癖(たばこ、アルコール、カフェイン、薬物など)
アルコール、タバコ、カフェインの過剰摂取、薬の副作用、代謝障害などが鼻毛白髪の原因になることもあります。
特に、タバコについては、成分の一つであるニコチンに血管収縮があり、血行不良を引き起こすことが各種研究で明らかにされています。
血行不良の項目で書いたとおり、血行が悪くなるとメラニン色素を作るのに必要な栄養素が体毛に届かなくなります。
また、私たちの体は、ニコチンが体内に侵入すると大量のビタミンを消費して除去しようとします。
その結果、十分なビタミンが体毛に行きわたらず、メラノサイトが活性化しきれずメラニン色素を作るのに影響が出てしまいます。
参考:喫煙の健康影響|国立保健医療科学院研究情報センター たばこ政策情報室吉見逸郎鼻毛白髪対策
20代で白い鼻毛が生えたときの対策
20代の白い鼻毛は、加齢が原因になっていることは稀で、大半が遺伝と環境によるものです。
遺伝はどうしようもありませんが、環境要因については改善の余地があります。
例えば、食生活、睡眠時間、日常生活のルーティン化、ストレスを減らす努力、禁煙や飲みすぎの自粛などが考えられます。
私たちの体は、寝ている間に調子を整えて翌日の活動に備え、また、成長ホルモンが分泌されて成長していきます。
でも、生命維持に重要なところが優先されるので、鼻毛を含む体毛は後回しになります。
睡眠時間が短く、偏食ばかりで、強いストレス環境が続くと、栄養が生命維持に重要な部位に回されて鼻毛まで行きわたりません。
そうすると、白い鼻毛がいつまでも治らず、次々に新しい鼻毛白髪が生えてきてしまいます。
生えている白い鼻毛は切る?抜く?染める?
結論から言うと「切る」が正解で、それ以外は全て間違いです。
白い鼻毛を抜くのはダメ!絶対!
「鼻毛の白髪を見つけたら抜く」という人がいますが、絶対に止めてください。
鼻毛は、他の体毛よりも毛が太く、白髪になると余計に太く硬くなるので、抜くと毛根や鼻の粘膜に大きな負担がかかります。
メラノサイトの働きが弱まりますし、出血したり毛根に菌が感染して炎症を起こすリスクがあります。
また、鼻毛が白くなる原因を解決しない限り、抜いても再び白髪が生えてくるだけです。
白い鼻毛は染めるのもNG
「白い鼻毛は髪の毛と同じで黒く染めればいい」と思う人もいるかもしれません。
でも、毛髪用の白髪染めや白髪シャンプーで鼻毛を染めるのは、鼻の中を痛めるリスクがあります。
かといって、鼻毛用の染毛剤も見当たりません。
私の友人に「美容サロンで鼻毛の白髪染めを頼んで断られた」という人がいますが、リスクを考えると当然です。
ネットやSNSで確認しましたが、美容サロンで鼻毛の白髪染めをしているところは見当たりませんでした。
鼻毛の白髪は切る
鼻毛の白髪を見つけたら、鼻毛ハサミや鼻毛カッターで「切る」のが正解です。
毛根や粘膜に与える負担がなく、メラノサイトの働きにも影響を及ぼさいのはカットだけです。
ただし、「切る」鼻毛ケアも、やり方を間違えると鼻の中を傷つけるリスクがあるので、正しいやり方を覚えておきましょう。
鼻毛白髪の体験談
私も、20代の頃に白い鼻毛が生えてショックを受けた一人です。
鼻をかんだときに偶然抜けたのが白い鼻毛で、慌てて鏡で鼻の中を確認すると5~6本は白い鼻毛が生えていました。
当時は正しい処理方法を知らず、とにかく白い鼻毛を除去したくて毛抜きで抜いてしまいました。
すると、翌日に鼻の粘膜が炎症を起こして腫れあがり、鼻の穴がほぼ埋まって息もできない状態に。
慌てて耳鼻科に行って治療してもらい、処方薬を飲んで治しましたが、白い鼻毛を抜く怖さを痛感しました。
その後は、医師の指導に従って、永久脱毛で鼻の中がツルッツルになるまでは「切る」鼻毛ケアを続けました。
20代の鼻毛白髪の原因と対策のまとめ
20代のうちから鼻毛が白くなる原因は、加齢や遺伝というより生活環境によるところが大きいです。
偏った食生活、睡眠不足、昼夜逆転の生活、ルーティン化されていない毎日、ストレスフルな環境などを改善すれば、鼻毛白髪は徐々に治っていきます。
すでに生えている白い鼻毛は、カットして処理しましょう。
抜いたり染めたりすると鼻の粘膜や毛根が痛み、白い鼻毛以上のリスクを負うことになりかねません。